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blog146

1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/13(月) 13:41:45.12 ID:+GutskVZ0
勇者「あ、帰りにお弁当買ってきて」

母「……ええ」ガチャ

メイド「あ、奥様」

母「聞いてたの?」

メイド「はい」

母「話の通りよ」

母「行ってくるわ」

メイド「はい、お気を付けて」





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3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/13(月) 13:42:38.64 ID:+GutskVZ0
城への道

母(いいのかしら、これで)

母(でもいつかは旅立ってくれるはず)

母(そのためには私がしっかりしなきゃ)

母「はぁ……」トボトボ

老人「おお、おぬしは勇者母ではないか」

母「あ、おはようございます」

老人「勇者は元気かの」

母「ええ」

母(一体いつになったら旅立ってくれるのかしら)

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/13(月) 13:44:12.08 ID:+GutskVZ0
老人「心配することはないぞえ」

老人「奴は勇者の子孫じゃ」

老人「勇者父とお前の血を引く子じゃ」

老人「やがて大勇者になり世界を救うじゃろう」

母「は、はい」

母「ありがとうございます」

母「で、では王様に会わないといけませんので」トコトコ

老人「大変じゃのう」

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/13(月) 13:45:02.08 ID:lNUeeDIAP
母 職業ゴッドハンド

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/13(月) 13:46:34.26 ID:+GutskVZ0


王「近こうよれ」

母「はい」

王「勇者はどこじゃ」

母「それが……た、体調が悪くて……」

王「そうか」

王「今は世界が魔王に支配されかどうかの危機なのだ」

王「勇者にはきちんと来て欲しかったのだが……」

母「こ、今度は連れてきます!」

王「ああ」

王「これがわしからの軍資金じゃ」

母「ありがとうございます」

王「それにルイーダの酒場で仲間を探すがよい」

母「わかりました」

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/13(月) 13:49:12.32 ID:+GutskVZ0


母「勇者ちゃん、王様に会ってきたわよ」

母「はいこれ、軍資金」

勇者「50Gにひのきのぼう? 薬草8つに革の鎧とかしけてない?」

母「でも何も貰えないよりはいいわよ」

勇者「で、弁当は?」

母「あ……」

勇者「忘れたの? 買ってきてよ」

母「ええ」ガチャ

メイド「……奥様、これを」シュタ

母「あ、お弁当」

母「なんで?」

メイド「先ほど買って参りました」

メイド「なんだかとても大変お疲れのようでしたので」

母「ありがとう」ウル

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/13(月) 13:49:34.42 ID:9T9z1cOF0
母が行くのかよ!

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/13(月) 13:52:19.39 ID:+GutskVZ0
次の日

勇者「ルイーダの酒場に行ってきて」

母「それくらいは自分で……」

勇者「無理だよ」

母「でもこのままじゃ……」

勇者「お腹痛い」

母「はぁ……わかったわ」ガチャ

メイド「奥様」シュタ

母「聞いての通りよ、行ってくるわ」

メイド「お待ちください」

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/13(月) 13:52:52.84 ID:+GutskVZ0
母「何?」

メイド「わたくしも参ります」

母「別にあなたには……」

メイド「お願い致します」ペコリ

母「なんでそこまで……」

メイド「かつての仲間だからと言った答えではダメでしょうか」

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/13(月) 13:55:34.74 ID:+GutskVZ0
母(かつては私も女勇者だった)

母(子供を産んでからは主婦になったけど)

母(そのときに賢者だったのがあの子)

メイド「思えば長い年月でした」

メイド「旦那様はお亡くなりになられて」

メイド「そのために魔王が息を取り戻し、また世界はこんな状態に」

メイド「できれば、あのとき撤退していなければ」

メイド「……あ、申し訳ありません」アタフタ

母「いいのよ、子供のために魔王城から逃げ帰ったのは私のせい」

メイド「違います! あれは仕方なく……」

母「それにグチグチ言ってても仕方ないわ」

母「行くわよ」

メイド「はい」

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/13(月) 13:58:16.17 ID:+GutskVZ0
ルイーダの酒場

女店主「へい、らっしゃい!」

女店主「……って、母とメイドじゃねーか! 久しぶりだな!」

母「あなたもね」

メイド「お久しぶりです」

女店主「で、なんの用だい」

女店主「はっきり言ってここにゃバカとデクしかいやしないよ」

*「あ、ママひでえや」

*「バカって自分のこと? 酷くない?」

*「俺の方が勇者より強いぜ」

母「……」

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/13(月) 14:02:01.33 ID:+GutskVZ0
メイド「奥様、気にすることはございませんよ」

女店主「まあ事実だしな」

メイド「女店主様!」

女店主「はいはい、あたしが悪うございましたよ」

母「誰か強い人いない?」

女店主「いないね」

女店主「少なくともあたしより強い奴はいないよ」

女店主「……ったく最近の若いもんは」

メイド「女店主様もまだ若いではありませんか」

メイド「それに女主様は戦士でしたから普通なら誰も敵いませんよ」

女店主「ま、今でも体だけは自信あるしね」

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/13(月) 14:04:15.59 ID:+GutskVZ0
女店主「あんただってまだ魔術は衰えてないんだろ」

女店主「この間も宿屋の火事の時マヒャドで止めたじゃないか」

メイド「あ、あれは必要でしたから///」

*「あのメイドさん、なんで弟子取らないのかな」

*「さあ、色々あるんじゃないの」

母「で、肝心の勇者ちゃんの仲間は……」

女店主「あいつまだ引きこもってんのか?」

母「え、ええ……」ドンヨリ

女店主「あたしが教育してきてやんよ」

メイド「おやめください!」

女店主「なんでだよ」

女店主「母の時だって15になった時にあたしら連れて旅立っただろ」

メイド「ですがそんなことをしたらますます家に籠もってしまいます」

母「……」

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/13(月) 14:05:42.99 ID:+GutskVZ0
女店主「まあいいや」

女店主「で、母。おまえはどうするつもりなの?」

母「とりあえず今日は帰るわ……」

女店主「そっか、なんかあったらまた来いよ」

母「ええ、ありがとう」

メイド「失礼致します」プンプン

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/13(月) 14:09:00.84 ID:+GutskVZ0
城下街

メイド「……何か騒がしいですね」

母(あ、あそこにいるのは今朝の……ちょっと聞いてみよう)

母「どうされたんですか?」

老人「ああ、お前さんか」

老人「実はのとなりのレーベの村が焼き討ちにされたんじゃ」

老人「もう魔王がそこまで迫っておると住民が慌てておる」

母「……そうですか」

母(もうこの大陸にまで……)

メイド「奥様……」

母「メイド」キリ

メイド「は、はい」ビク

メイド「この顔……決意された目だ……」

母「王様に勇者は今からきちんと旅立つと伝えなさい」

メイド「あ……はい!」

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/13(月) 14:11:26.29 ID:+GutskVZ0
魔王城

魔王「戦果の方がどうだ?」

側近「は、すでに世界は掌握したも同然です」

魔王「クックック、そうかそうか」

側近「もはやアリアハン大陸もあの城だけございます」

魔王「……」ピク

魔王「……なんだって?」

側近「あ、はい。もはや世界も支配したも同然と」

魔王「違うその前」

側近「アリアハン大陸もあの城だけと」

魔王「……」

魔王「……あそこに手出したの?」

側近「? は、はあ……」

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/13(月) 14:12:19.91 ID:8zn9Q7Bb0
まるでエヴァのシンジくん

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/13(月) 14:13:23.21 ID:Vomat5RzO
魔王逃げてー

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/13(月) 14:13:49.18 ID:+GutskVZ0
側近「何か不都合でも?」

側近「レーベの村を焼き討ちにしてアリアハンの城もすでに……」

魔王「アホかあああああああああああああああああ」

側近「ひいいいいいいい」

魔王「今すぐ止めろ!

魔王「止めさせるんだ!」

魔王「兵を全部引け!」

魔王「あそこから撤退しろ!!」

側近「は、はい!」

魔王「あとすべての軍を魔王城に集めろ!」

魔王「魔界とアレフガルドの連中も全部呼び寄せろ!」

魔王「全軍で魔王城を守るんだ!」

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/13(月) 14:15:36.42 ID:+GutskVZ0
15年前

魔王「状況を報告せよ」

魔術師「魔法王国の方はすべて壊滅状態です」

騎士「魔界の塔の方も長いとは言いにくいです」

魔王「くそったれ!!」ガタン

魔王「お前らそれでも四天王かよ!」

魔王「もう四天王も残りはお前らしかいねーんだぞ!」

魔術師「も、申し訳ございません」

魔術師(5本の指で5発イオナズン打つ相手に勝てるわけないよ……)

騎士「不甲斐ないです……」

騎士(あんな騎士団精鋭ひとりで相手にするバーサーカー、敵にする方が無茶だって……)

魔王「くそ! 下がれ!」

魔術師「は」

騎士「は」

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/13(月) 14:20:55.60 ID:+GutskVZ0
騎士「(なあ、どう思う)」

騎士「(勇者らに勝てると思うか)」

魔術師「(無理だろ、常識的に考えて)」

魔術師「(それより三人とも可愛いし味方にしたほうがいいと思うんだが)」

魔術師「(はぁ……賢者タン可愛いよな……)」

魔術師「(教えを請いたい)」

騎士「(バカ戦士さんの方が断然いいよ)」

騎士「(あの勇姿の美しさは……)」

魔術市「(いや、だが特筆すべきはやはりあのお方……)」

騎士「(だな、あれは萌え方がハンパじゃねえ)」

側近「……」トコトコ

魔術師「ひ」

騎士「う」

魔術師「し、失礼します」

騎士「お、お疲れ様です。それでは」

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/13(月) 14:22:32.52 ID:+GutskVZ0
爺(もはやここまでか……)

爺(さきほど勇者達がこちらに向かってると言う情報があった)

爺(まともに相手にしては勝てる相手ではない)

爺(だが諦めるわけにはいかん)

魔王「どうした爺」スタスタ

爺「!」

爺「ま、魔王様」

爺(いつまでも隠しきれるものではない)

爺「じ、実は……」

近衛兵「緊急です!」

魔王「!」

爺「!」

魔王「どうした?」

近衛兵「実は……」

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/13(月) 14:22:37.04 ID:CTRYAnjW0
続けたまへ

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/13(月) 14:24:35.75 ID:+GutskVZ0
現在

魔王(あのとき勇者母が身籠もったから引いてくれたんだぞ)

魔王(それを呼び起こそうとするとかバカか?)

魔王(一番いいのはあいつらが老いるまで待つことだったんだよ!)

魔王(先走りやがって……)

魔王(このままだと今度こそ本格的に滅ぼされてしまう!)

魔王(どうすればいい?)

魔王(考えろ)

魔王(考えるんだ)

魔王「こうなったら……」

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/13(月) 14:26:15.90 ID:+GutskVZ0


母「ちょっと旅行に行ってくるけど」

勇者「どこ行くの?」

母「え……と……ちょっと遠くまでかな?」

勇者「ご飯とかどうしたらいいの?」

母「そうね、1000G置いていくから使っといて」

勇者「メイドは?」

母「あ、ごめんなさい」

母「あの子も一緒に行くことになってて……」

母「それまで家でひとりで留守番、大丈夫?」

勇者「……わかったよ」

勇者「早く帰ってきてね」

母「ええ」

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/13(月) 14:26:47.87 ID:VmzgZV1f0
母は強し

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/13(月) 14:30:51.92 ID:gpEqbNcy0
引きこもりは直らない

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/13(月) 14:31:22.83 ID:+GutskVZ0
城の門

母「ごめんなさいね、あなたたちまで付き合わせることになって」ヒペコ

メイド「気にすることはございません」

メイド「奥様のためならどこにでも」

女店主「だな。あたしたちゃ仲間だよ」

女店主「あとメイドも奥様とか呼び方おかしくねえか?」

女店主「昔みたいに呼び合おうぜ」

メイド「そうですね女戦士様」

女戦士(旧女店主)「いいねえ、燃えてきた」

女戦士「だろ? 女勇者?」

女勇者(旧母)「いえ、私は子供の方が心配で……」

女勇者「メイ、賢者のサポートもないし……」

賢者(旧メイド)「奥、女勇者様は時には勇者様をお一人にすることも大事かと」

賢者「かわいい子には旅をさせよと申しますし」

女戦士「この場合はあたしらが旅立つわけだけどな」ケラケラ

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/13(月) 14:34:18.11 ID:+GutskVZ0
女戦士「で、どうする?」

女戦士「どこ行くんだ?」

女勇者「まずはレーベの村かな……」

賢者「そうですね、最初は現状をきちんと把握した方がいいでしょう」

「バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ」

女勇者「?」

賢者「?」

女戦士「なんだあのでっかい飛空挺の艦隊」

賢者「いよいよ空襲に来たのでしょうか」

賢者「打ち落としますか?」ボッ

女勇者「待って、なんか様子が変よ」

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/13(月) 14:36:40.14 ID:+GutskVZ0
飛空挺の艦隊が次々と着地

女戦士「なんか出てきたぜ」

賢者「様子を見ます?」

女勇者「ええ」

魔王「えへへ、皆さんお久しぶりで」

爺「久しぶりじゃのう」

騎士「お元気でしたか」

魔術師「ご無沙汰です」

女勇者「!」

賢者「あなたたちは……」

女戦士「んだあ? なんか見知った顔だな」

女勇者「あの……何か?」

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/13(月) 14:41:01.82 ID:+GutskVZ0
魔王「すんませんでした!」ドゲサ

魔王軍全員「すんませんでした!!」ドゲザ

女勇者「え? え?」

魔王「あの今回は何か手違いがあり、混乱させてしまったようで」

魔王「実は部下達が暴走してしまってですね」

魔王「命令とは違った行動を取ってしまったんですよ」エヘエヘ

女勇者「……」ポカーン

賢者「……」ポカーン

女戦士「……」ポカーン

魔王「すべてこの世界から引き上げますからどうかご容赦を!」

魔王「破壊してしまった街や城はすべて賠償しいたします!」

魔王「どうか……どうか命と組織だけは……!!」

母(旧女勇者)「……」ポカーン

メイド(旧賢者)「……」ポカーン

女店主(旧女戦士)「……」ポカーン

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/13(月) 14:42:16.92 ID:+GutskVZ0
母「ただいま」

勇者「あれ、もう帰ってきたの?」

母「ええ、なんか旅行がキャンセルになったから」

勇者「そう」

勇者「じゃあ」

勇者「また王様に会いに行ってきて」

母「わかったわ」

~END~

42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/13(月) 14:43:04.13 ID:+GutskVZ0
くぅ疲ry終

母の日に思いつきましたorz

                  


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